ONE AND ONLY !!

By wps.

日商簿記2級勉強法

仕事をしながら日商簿記2級の勉強をするのは、想像以上にツラい。日商簿記2級の合格体験記。

【はじめに】

FP2級の次は、日商簿記2級を取得したいと前々から思っていた。会社に簿記3級を取得させられてからはや4年…。会社ではほとんど使わないためにすっかり簿記3級の知識は忘れてしまったが、ようやくモチベーションが上がってきて半年前に受験を決意。しかし、準備不足がたたったせいで、合格率40%というボーナス回であった第129回に不合格となってしまった。そこで、1回目の反省を活かし、通勤時間は仕訳の練習、平日の夜は大問を1問、週末は日曜日に約3時間の勉強を2ヶ月続けたところ、第130回に合格できる見込みだ。

社会人にとって、簿記の取得が難しい理由は、「勉強場所と時間の確保」に尽きる。極論を言えば、FPやTOEICは、通勤時間の勉強だけで高得点を狙えるが、簿記は不可能だ。机に座り、電卓を叩かなければ絶対に合格できない。毎日残業してから家に帰り電卓を叩くのは体力がいるし、何時間も時間を割いては仕事に支障をきたす。その反面、時間をかければ簡単に合格できる資格なので、取得を迷っている大学生がこれを見ていたら、すぐにでも勉強を始めて取得することをオススメする。いくら敷居の低い資格ではあっても、社会人は意外と自宅で机に座る時間がない。

そこで、約半年間かけて2回目の受験で合格を果たした経験を基に、自分なりに効率的と考える社会人の簿記2級対策をまとめてみた。3ヶ月間無理のない勉強を続けることで、「7割方合格できる」状態に到達することをイメージしているので、時間がある人はこれ以上に問題演習に取り組んでほしい。あくまでも、「そこそこ仕事は忙しいし、週末は遊びたい」人を対象にしている。

【通勤時間&昼休み】

①テキスト「サクッと受かる簿記2級」を2週間でざっと読む

「日商簿記2級ってどんな試験か?」を知ることが目標なので、時間をかけずにテキストを読み進める。商業簿記のテキストは、ほとんどが仕訳の解説となっているが、仕訳は問題演習をして覚えていけばいいので、流し読み程度でいい。問題演習をして気になる点が出てきたら、必要に応じて読み返す。一方、工業簿記はテキストでだいたいの理解が可能なので、商業簿記よりは慎重に読んでもいいと思う。

大事なのは、ラストスパート模試を解きながら行き詰まったところがあれば、テキストの該当箇所を参照してみることだ。最初からテキストを理解しようとしても理解できなかった部分も、実際に問題を解きながら参照すると飲み込みやすくなる。

②簿記検定ナビの仕訳問題対策を解く

仕訳問題は、電車の中やちょっとした隙間時間でも解くことができる。しかし、手軽に勉強できる教材は意外と少ない。簿記検定ナビは有り難いことに、過去の試験で出題された仕訳問題の類題を掲載しているので、最大限活用させてもらおう。

まずは、過去5回分の問題・回答・解説を繰り返し通勤時間や昼休みに解き、「だいたい大丈夫だな」と感じられたら更に過去5回分に取り組む。問題はだいぶ重複しているので、むやみやたらに回数をこなすよりも、完璧な問題を着実に増やす方がいい。私は過去15回分を解き、特殊商品売買の苦手意識はなかなか抜けなかったものの、本番ではこのおかげで満点を取れた。なお、自宅で時間のある時には、実際に電卓を叩いて計算するべき。頭ではわかっていても、紙に書き出すと意外と習得できていない部分があることがわかる。

【平日の夜&土日のどちらか】

③ラストスパート模試を繰り返し解く

簿記はある程度出される問題がローテーションしているので、予想問題は当てになる。ネットスクールが発行してる「ラストスパート模試2級」の的中率はかなり高いので、過去問を10回分も解く時間がない人は、ラストスパート模試に収録されている4回分を信じるしかない。ドンピシャの問題は本番に必ずどれか出題されるので、変に欲を出さず、収録されている問題を完璧にするべきだ。

ただ、テキストをざっと読んだだけでは、恐らく問2~問5に手も足も出ない。なかなか解く気にならないだろうし、解説を読んで分かった気になっても、翌日には解けなくなっている。勉強できない日が続くと、丸っきり忘れてしまうだろう。だからこそ、欲張らない勉強をする。

問題を眺めて手が動かなければ、悩むだけムダなのですぐに解説を見てしまおう。「ふむふむ」と頭に軽く入れたら、再び解き始めてみる。すると、半分は解けないまでも、10%くらいは解けるようになっている。その10%の部分だけは、次回も必ず解けるように手に馴染ませよう。そうやって、解ける部分を着実に積み上げていく。最初は手が出せなかった問題も、いつしかだいたい解けるようになってくるので、めげずに問題と解説を行き来すればいい。

例えば、初学者が途方に暮れる本支店会計も、最初から丸ごと理解しようとせずに、まずは未達事項の整理、次に決算事項の整理、そして財務諸表への記入と分解して習得していけば、大したボリュームではなくなる。むしろ、簿記の問題は解き方が決まっている分、繰り返し覚えた本支店会計の問題は得点源となること間違いない。1日の目標を、売上原価の算定のみにしてもいい。

私は土曜日に遊び、日曜日の午後からマックコーヒーをおかわりしながら問題演習を繰り返した。何度もラストスパート模試の同じ問題に挑戦するうちに、初めはただ暗記していた解き方も、次第に解きほぐしていけるものだ。同じ問題と侮ることなく、簿記の仕組みや基本を味わうことで、解説の意味が理解でき、前払費用や未払費用、帳簿棚卸高と実際棚卸高といった論点にも自信がついていく。

ただ、いくら問題を繰り返し解いても、集計ミスはなかなかゼロにできない。自分も不安だったが、どこで自分が間違えやすいかを知っておくだけで、本番で有意義な見直しができるので、極度に気にする必要はないと思う。本番で集計額が一致しなければ、自分がミスしそうな部分を優先的に見直せばいい。

【まとめ】

以上が私が考える、「とりあえず労力をかけずに、簿記2級を合格したい人」向けの勉強だ。インプットよりも、簿記検定ナビの仕訳問題とラストスパート模試などに限定したアウトプットを重視している。ただ、奇問が出た時にはその場で頭をフル回転させて対応しなければならないし、簿記2級の能力が身に付くかどうかも保証できない。余力がある人は、「合格するための過去問題集 日商簿記2級」で様々な問題を確実に潰していってほしい。なお、簿記2級の合格率は変動するが、「合格率が高かった回の次の回は難しくなる」といった考え方は、必ずしも当てはまらない。対策をしておけば合格できる試験なので、受験する回を先延ばしにしたりするのはやめて、すぐにでも勉強を始めるべきだ。

投稿:3/03/2012